妊娠中に目が疲れるのはなぜ?妊婦が安心してできる対策は?
妊娠中に目が疲れたり眼精疲労のような肩こりや背中、腰の痛みに悩まされる方はたくさんいます。
ただの疲れ目かと思っていたら、肩こりや首筋のこり、背中や腰の痛みがどんどん酷くなって行って耐えかねて産婦人科で先生に相談される方は後を絶ちません。
妊婦だけにお腹の赤ちゃんに影響が出かねないような痛み止めなどを飲むこともできず、ただひたすら無事に出産を迎えるまでは我慢・・・という方もおられるようです。
このページでは、そんな悩みを持っていらっしゃる妊婦さんが安心して実践できる疲れ目や眼精疲労に伴うこりや痛みを和らげつつ悪化を予防する方法を一緒に見て行きたいと思います。
まずは妊娠中に疲れ目や眼精疲労を起こしやすい理由や原因から見て行きましょう。
妊娠中の疲れ目や眼精疲労の原因
妊娠中に疲れ目や眼精疲労に悩まされやすいのは、ホルモンバランスの変化で体内の水分が子宮に集められる身体の仕組みが主な理由と言われています。
この妊娠中のホルモンバランスによって次の2つの眼精疲労要因が起こると言われています。
- 目を守るための水分が不足してドライアイになりやすい
- 妊娠性高血圧(血液量が増えるため)によって眼圧が高くなりやすい
妊娠中のホルモンバランスは、お腹の赤ちゃんを守るために子宮内に水分を集めようとする働きと赤ちゃんに栄養を送り続けるためと出産に向けて血液量が1.4倍ほどに増えて行く仕組みになっています。
また、通常時でも体内水分の約10%近くが目の付近に集中しているのですが、その水分も赤ちゃんと妊婦さん自身の身体を守るために使われているためドライアイになりやすいと言えます。
また、先ほど血液量が1.4倍ほどに増えて行くと言いましたが、それによって血圧も不安定に変化してしまいがちです。
ちなみに妊娠中は激しい運動は基本的にNGですが、その理由もこの妊娠性高血圧にあります。
ちょっとした軽い動きでもすぐに『はぁはぁとなる息切れ』を感じるのがこの高血圧が起きている表れです。
そのため、目の付近に集中している毛細血管が拡張・圧迫され、目をまぶたの上から押さえつけられているような疲れや違和感を感じやすく、その症状がさらに深刻化した痛みへとつながりやすいんです。
つまり、妊娠中は水分不足によるドライアイと高血圧による眼圧の高まり(眼圧が高くなると緑内障の原因になります)という大きく分けて2つの仕組みが妊娠中の眼精疲労の原因と言われています。
わたし達人間の身体は70%近くが水分でできているのはご存じの方も多いかと思いますが、その中の10%近くが目の付近に集中していると言われているのはご存じでしょうか。
というのは、目は身体の中で唯一空気に直接さらされている内臓器官で、目から雑菌が入り込んだりしないためにまぶたやまつ毛、水分でうるおっている粘膜など何重ものガードが必要になるからです。
その中でも直接、体中の免疫組織ともつながりがある粘膜が乾きがちになることで危険信号として目の疲れや眼精疲労などの痛みを伴う症状につながってしまうんですね。
このように聞くと、じゃあ目薬を四六時中さしていれば簡単に対策できるよね・・・と思われる方も多いかも知れませんが、実は市販の目薬の中には血管収縮剤や防腐剤(だからバッグの中で常温で何日も持ち歩いても腐らない)が使われているものが多いんです。
子宮や大動脈、循環器系などの身体の中心分から比較的遠いところにある目なので、直接的に血管収縮剤や防腐剤の影響が赤ちゃんに影響を及ぼすとは言い切れないのですが、普段から四六時中目薬を使って疲れ目や眼精疲労を予防するというのは妊婦さんにとっては無用なリスクを避けるという意味でもあまりおすすめできる事ではありません。
また、そもそもの原因と仕組みがホルモンバランスによる体内の水分の分布バランスの乱れが目の乾き(ドライアイ⇒疲れ目⇒眼精疲労)へとつながってしまう部分を安全に対策することが大切になってくると言われています。
その上さらに、現代人のわたし達はスマホやパソコン、テレビ画面、タブレットなどの紫外線刺激(ブルーライト刺激)が疲れ目や眼精疲労に追い打ちをかけてしまいます。
妊娠中は体調の変化も起こりやすく、さらに不安に感じることも多いので、スマホやパソコンを使って調べごとをしたり、ストレス発散のために友達とSNSで連絡を取り合ったりすることも多いので、目を酷使しやすい条件が揃っているといえます。
このように妊娠中の疲れ目や眼精疲労の原因、仕組み、理由についてはホルモンバランスの変化による水分バランスの乱れという内的要因とスマホやパソコンの使用時間の長さなど外的要因が複雑に絡み合ったものだと言えます。
目薬がダメならどうすれば良いの?疲れ目対策
基本的には、とにかく積極的な水分補給が大切になります。
水分補給をこまめにすることで、ドライアイ、疲れ目、眼精疲労という悪循環を断ち切る助けになると考えられます。
また、水分補給の大切さは、妊娠中の免疫力低下を補うという意味でも大切な意味があります。
ちょっと話が疲れ目や眼精疲労からそれますが、積極的に水分補給をすることで妊娠中に起こりやすい便秘⇒それによって起こる腸内環境の悪化⇒善玉菌の減少⇒免疫力の低下という図式を断ち切る助けになるのはイメージしやすいですよね。
体内の水分バランスが保たれると、身体中のありとあらゆる部位に免疫力が働くための力になります。
身体の外部から侵入してくる恐れのある雑菌やウイルス、病原菌などと闘うためには、粘膜組織が素早く異物の侵入を発見して、免疫組織の中枢機関(樹状細胞やNK細胞)に連絡が行くようにすることが大切。
そのためには、侵入者をつかまえることができる充分にうるおっている粘膜組織が大切というわけです。
例えが汚く感じるかも知れませんが、ゴキブリホイホイなどの虫取り粘着テープが体中の粘膜組織の働きと考えるとイメージしやすいかも知れません。
そのためにも積極的な水分補給が大切になるというのはイメージ出来ましたでしょうか。
体内の水分バランスの乱れによる疲れ目、ドライアイ、眼精疲労も分かりやすい仕組みと言えるかも知れませんね。
また、目の周辺のうるおいを充分に維持して行くには、サラサラした水分も大切ですが、ミネラルを含んだ粘膜組織に馴染みやすい水分補給も大切です。
そのためには葉酸やビタミンB群、ビタミンA(脂溶性レチノールではないβカロテンと呼ばれる水溶性ビタミンA)などバランスの良い栄養補給も大切で、さらに言えば涙の原料が血液であることもポイントでその質を維持するために鉄分補給も大切です。
では、次に今現在悩まされている目の疲れや眼精疲労の痛みを安全に和らげる(痛み止めに頼らない)方法を見て行きましょう。
妊娠中の疲れ目や眼精疲労の痛みを和らげる方法
疲れ目や眼精疲労による痛みを和らげる方法として一番有効で即効性が高いものとしては、やっぱりマッサージが良いでしょう。
目の周辺のツボをやさしくマッサージしたり、肩こり、首筋のこりを軽減するための肩や首筋のストレッチ(腕を回したり首を回したり)も有効です。
なにより薬を使わないので安心してできますし、先ほどもご紹介した通り即効性が高いのも魅力です。
ただし、効果の持続性と言う意味では限定されてしまうので、しょっちゅうストレッチやマッサージを行う必要が出てきます。
起きて活動している時間帯ならばそれでも良いのですが、一日の一番最後にその日の疲れをしっかり取り除くという意味でストレッチやマッサージをお風呂の中でやるというのも良い方法ですよ。
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