眼精疲労の原因になる間欠性斜視について
間欠性斜視(かんけつせいしゃし)という黒目の位置が左右で差が出てしまう症状をご存じでしょうか。
この間欠性斜視というのは、まだ視機能が完成していない子供に多くみられる症状なのですが、左右に視力差がある、いわゆる『ガチャ目』の大人にもある症状です。
このページでは、この間欠性斜視が眼精疲労の原因になるため、間欠性斜視の見分け方や治し方を分かりやすくシンプルにまとめました。
間欠性斜視は自覚症状が感じにくいため、知らず知らずのうちに疲れやストレスをため込んでしまう原因になっている可能性も高いんです。
もしかしたら、今あなたが感じている疲れ目や眼精疲労も間欠性斜視が原因かも知れませんよ。
眼精疲労は頭痛に背中の痛み、酷くなると吐き気・・・
これさえなければもっと仕事も片付いて余裕で終わらせられるのに・・・本当にイライラする症状です。
その原因のひとつと言われているのが『間欠性斜視(かんけつせいしゃし)』なんです。
間欠性斜視って一体なに?
間欠性斜視とは、眼球の中の黒目が左右の位置に違いが生じて視野のズレが起こり、それが疲れ目やさらに眼精疲労につながるというものです。
黒目の位置が左右で違うというのはわたし達人間では良くあることで、放置したから悪化してしまうというものではないんだそうです。
もちろん極度に強い斜視の場合は、明らかに見た目で黒目の位置に左右差が生じてしまうため手術を勧められる場合もあります。
しかしながら間欠性斜視というのは、疲れてくると眼球の黒目の位置に左右差が生じてくるというもので、他人から見て分かるようなものではありません。
また、間欠性斜視は潜在患者数が6,000万人もいると言われているもので気づいていない方がほとんど。
気付いていたとしても疲れると現れる症状で、自分の意志では治せません。
NHKの『ガッテン』でも扱われていたことがあるのですが、またの名を『隠れ斜視』とも言います。
起きて目を開けている状態では、目の視点が左・右でずれる事を脳が命令して矯正しているので一見すると分かりにくい症状なんだそうです。
先ほども触れた通り、黒目の位置に左右で差があるというのは普通のことなので『自覚症状は一切なく、目が疲れると眼精疲労の痛みなどに発展しやすい』というのが悩みになる症状です。
もちろん、放置しても悪化するようなものではないので、普段の生活で支障がなければ何もしなくても問題はありません。
ですが、毎日スマホやパソコン、書籍を読んでいたりして『目を酷使している』のが現代人のわたし達です。
隠れ斜視が疲れ目、眼精疲労、ストレスから来る身体の不調へと発展する前に対策を打っておけば、格段に毎日の生活が楽になりますし仕事の効率も上がって疲れを軽減できますよね。
そのためには自分の疲れ目や眼精疲労が間欠性斜視が原因で起こっているのかどうかを見極めたり、そうであれば適切な対策を知ることから始めて行きましょう。
隠れ斜視の見つけ方と治し方
病院での特殊な機器を使った検査をしなくても、隠れ斜視を見つける事ができる方法があります。
もし眼精疲労の症状が酷いという方は、一度試してみて下さい。自宅でも簡単に実施出来ます。
- 両目を開けた状態で5mほど離れた場所に大きさ50cmほどの大きさの目標物を設定して下さい。
- 次に、その目標物を見つめたままで、片目づつ手で覆い隠した状態を5秒おきの間隔で左右繰り返して下さい。
- もし、その状態で目標物が左右や上下に50cm以上の幅で位置がずれる方は『隠れ斜視』の疑いが強いそうです。
もし、景色がずれるという方はできるだけ早めに眼科で正式な検査を受けた方が良いでしょう。
病気の場合もそうですが、早めの対処を適切に行うことが出来れば、修正や治療が確実になりますし、治癒にかかる時間も短くなります。
隠れ斜視の治し方
間欠性斜視の治し方は大きく分けて2つの方法があります。
手術を受けるか、もしくは手術以外の矯正法を行うかの2つです。
ここでは、矯正で治す方法の中でももっとも簡単なプリズムメガネを使った矯正法と手術の場合をご紹介します。
プリズムメガネ
一つは矯正するための『プリズムメガネをかけること』です。
『プリズムメガネ』というのは通常のメガネと違ってレンズの組成方法が『斜めからのズレた視野』に対応しているものです。
斜視の原因が弱視がある方の目が正常な黒目の位置にならないことなので、弱視がある方の目の黒目の位置が矯正できるようにすることで間欠性斜視の治療にも使えるというものです。
また、プリズムメガネを使うのは一般的には子供の斜視の治療に使うことが多いのですが、
その理由は子供の場合は局所麻酔を打つことができず、全身麻酔になるため数日間の入院が必要になってしまうことや
先ほども触れた斜視の原因がどちらか片方の目が弱視(視力が落ちている)ことなので、視力矯正自体が必要になるためです。
子供の視力は6歳頃に大人と変わらないものに完成すると言われているので、パパやママに言われて自分の意志でピントを合わせらることで斜視を治せる子の場合はプリズムメガネを使うことが多いんですね。
プリズムメガネを作るには、眼科で正確な眼球の位置のズレ角度(眼位と言います)を測定して処方箋として出してもらいます。
それを基にメガネ店で作ってもらう専用のメガネがプリズムメガネなのですが、料金的には通常のメガネ+¥5,000程度でできるそうです。
また、斜視の原因にどちらか片方の目で乱視や近視などの弱視がある方の場合は、その矯正度数に合ったメガネを作ってからプリズム膜フィルムを貼る『膜プリズム』という方法もあるそうです。
プリズムメガネを使い始めてからは驚くほど疲れ目が改善出来て、自分は『隠れ斜視だったということに初めて気付いた』という声もあるほどです。
斜視矯正手術
もう一つは眼球の向きをコントロールしている外眼筋という筋肉を一旦、眼球から取り外して眼球の向きを調整してから付け直すという手術です。
手術と言っても決して難しかったり、何日も入院しなければならないというものではありません。
左右両方の眼球で施術を受けても術時間は1時間も掛らずに終わるもので、現在の眼科系の手術ではもっとも安全で簡単な手術だそうです。
手術を受けるには斜視の度合いを正確に把握することが大切なのはメガネを作る場合と同じです。
なので、血液検査や視力検査など事前診断が必要になります。
しかしながら、大人で局所麻酔を打つことで手術が行える方の場合は、手術自体は20~30分、事前診断を含めても2~3時間あれば手術が完了します。
このように手術自体は簡単かつ安全なものですが、当然ながら間欠性斜視の症状が改善出来ている度合や経過を観察する必要があるので、数回の通院が必要になります。
金額は保険適用の手術なので、医療費3割負担の健康保険なら5,400円。
医療費2割負担の初期高齢者の場合は3,600円。
医療費1割負担の後期高齢者の場合は1,800円となっています。
間欠性斜視は眼精疲労の原因になるだけではなく、子供の場合には仲間ハズレやいじめの原因になったりする可能性もありますし、大人のわたし達でも疲れ・ストレスの原因になります。
体調不良の遠因にもなるでしょう。
ここでは簡単で代表的な間欠性斜視の治し方をご紹介しましたが、間欠性斜視かどうかを眼科で診断してもらって正確かつストレスのない視野を確保して行きたいですね。